新卒一括採用の終わり|中途5割超の意味

新卒一括採用の終わり|中途5割超の意味 退職・退職代行

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主要企業の採用計画で、中途採用の比率が初めて半数を超えたと報じられました。新卒一括採用をやめて通年採用や職種別採用に切り替える大企業も出てきています。この記事では、この変化が何を意味するのか、そして「最初に入った会社」の重みが軽くなった時代に、今いる会社をどう見るべきかを整理します。ただし、この流れが全員にとって追い風になるわけではない、という話も含めて書きます。

この記事でわかること

  • 中途採用比率が半数を超えたという報道の中身と、その背景
  • 「最初に入る会社の重要性」が相対的に下がった理由
  • この変化が追い風になる人と、そうでない人の分かれ目

中途採用の比率が、初めて半分を超えた

報じられた数字

日本経済新聞社がまとめた調査として、中途採用計画を回答した主要企業1270社の2026年度採用計画に占める中途採用比率が50.3%となり、調査開始以来はじめて半数を超えた、と伝えられています。企業全体の平均値なので、業種によって偏りは当然あるはずですが、それでも「新卒で採って育てる」が採用の主軸だった前提が、平均で見て崩れかけているという意味では大きな数字です。

出典:日本経済新聞社の中途採用計画調査に関する報道より

主要企業1270社の2026年度採用計画のうち、中途採用が占める比率は50.3%。調査開始以来はじめて半数を超えたと報じられている。

通年採用・職種別採用への移行

採用の形そのものを変える企業も出てきています。新卒を4月に一括で採るのではなく通年で採用する、あるいは総合職としてまとめて採るのではなく職種別・部門別で採る、という動きです。いわゆる伝統的な日本の大企業に分類されるような会社でも、こうした切り替えが進んでいると紹介されていました。

職種別採用というのは、入社前から配属される職種が決まっている採り方のことです。従来の総合職一括採用では、入ってみるまでどの部署に行くか分からないのが普通でした。入口の時点で「何をする人か」が決まっているかどうかは、その後のキャリアの積み上がり方をかなり変えます。

なぜ企業は新卒一括採用から重心を移したのか

育てている時間がなくなった

理由としてよく挙げられるのが、AIやDXといった領域の人材需要です。この手のスキルは、新卒を採ってから数年かけて育てて間に合わせる、というスピード感と噛み合いません。今すぐ必要なものを、今できる人から採る。中途に寄るのは自然な流れです。

製造業の現場にいた頃の感覚で言うと、技術の入れ替わりが早い領域ほど、社内育成の前提が崩れやすい。設備でも同じことが起きます。自社で全部内製化するより、外から詳しい人を連れてきたほうが速い場面は確実にある。採用でそれをやっているのが今の状況だと理解しています。

育てても残るとは限らなくなった

もう一つは、教育コストの回収が読めなくなったことです。時間と金をかけて育てた人が数年で辞めていくなら、その投資は回収できません。しかも辞めるのは、外でも通用する人から先だったりします。企業側から見れば、育成した分のリターンが確実に見込めないなら、最初から即戦力を買ったほうが計算が立つ、という判断になります。

ここは、働く側にとっては複雑な話です。会社が「育てても辞める」と考えて育成を絞れば、若手は育つ機会を失う。育つ機会がないから外に出て行く。この循環をどこで止めるのかという問題は、まだ答えが出ていないように見えます。

「最初に入った会社」の重みは、確かに軽くなった

就活の一発勝負で人生が決まった時代

私が就職活動をしていた頃は、新卒で入る会社がその後をほぼ決める、という空気がまだ濃く残っていました。選考が終盤まで進んだ企業の独自の筆記試験で落ちたことがありますが、あのときの落ち込み方は、今思うと「この一回で人生の枠が決まる」と思い込んでいたからだったと思います。

就活の時期に一度落ちただけで、道が閉じたような気分になった。今の採用の流れを見ていると、あの時の絶望はずいぶん割高だったなと思う。最初に入る会社の重要性は、当時に比べれば相対的にはっきり下がっている。

実際、大企業の中途比率が上がっているということは、新卒のタイミングで入れなかった会社に、後から入れる可能性が広がったということでもあります。新卒カードを一度しか使えない前提で人生を設計しなくてよくなった、という意味では、悪い変化ではありません。

ただし、全員にとって追い風ではない

気をつけたいのは、この流れが有利に働くのは専門性を持っている人や、外から見て「何ができるか」が分かる人だという点です。逆に、今の会社の中でしか通用しない仕事の仕方しかしてこなかった場合、中途市場の拡大はそのまま自分の追い風にはなりません。会社にしがみつくこと自体が戦略として成立しにくくなる、という意味では、むしろ厳しい変化です。

身も蓋もない言い方をすれば、これは資本主義のルールがそのまま出ているだけで、誰かが意地悪をしているわけではありません。だからこそ、自分が今どちら側に立っているのかを一度冷静に見ておく必要があります。

採用計画の数字は「企業がそう計画している」段階のものです。実際に何人採用されたか、どの職種で採られたかは業種や企業によって差があります。数字をそのまま自分の転職しやすさに置き換えないほうが安全です。

そして、外に道が広がっていることと、今いる場所から出られることは別問題です。次が見えていても、辞めると言い出せないまま消耗している人はいます。自分から切り出すのがどうしても難しい状況なら、退職代行という手段があることは知っておいて損はありません。費用がかかり、会社との関係は基本的に切れる方法なので、誰にでも勧められるものではありませんが、選択肢としては存在します。

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今いる場所で、何を確認しておくか

社外から見て説明できる仕事をしているか

中途採用が増えるということは、選考で見られるのが「どこの会社にいたか」より「何をやってきたか」に寄るということです。社内でしか通じない略語や、社内調整だけで成立していた実績は、外に持ち出したときに評価されにくい。逆に、担当した設備や工程、扱った金額規模、改善して何がどれだけ変わったか、といった話は業界が違っても伝わります。

これは辞める辞めない以前に、今の仕事を整理する作業として意味があります。言語化できないスキルは、外の市場では存在しないものとして扱われます。

会社が育てる気を残しているか

もう一つ見ておきたいのは、今の会社が若手や中堅を育てる姿勢を残しているかどうかです。中途で穴を埋める方針に振り切った会社では、内部の人材が育つ機会が減っていきます。教える人がいない、教える時間がない、教えても評価されない。この状態が続く職場は、数年後の自分の市場価値にそのまま跳ね返ります。

人が抜け続けている職場の見分け方については、従業員が逃げる会社の特徴と辞め時の見極め方でも触れました。採用の形が変わっても、人が定着しない会社の構造そのものは変わりません。

次に考えるべきこと

焦って動くべきかどうかは別の話

中途採用の枠が広がっているからといって、今すぐ動くべきだという話にはなりません。数字が示しているのは「以前より道が増えた」ことであって、「今動かないと損」ということではない。むしろ、準備なしで飛び出すと、経験者枠の競争にそのまま巻き込まれます。

まずやることは、職務経歴の棚卸しです。何を担当し、どんな条件で、どう判断したか。これを書き出すだけで、自分が中途市場でどの位置にいるかは、だいたい見えてきます。

辞めると言い出せないところで詰まっている場合

ただ、次が決まっても、あるいは体力的に限界が来ていても、退職の申し出そのものでつまずくケースは珍しくありません。私自身、社内規定に沿って退職の1か月ちょっと前に申し出たにもかかわらず、会社と揉めました。規定を守っていても、簡単には終わらないことはあります。

ルール通りに動けば穏やかに終わるものだと思っていた。実際にはそうならなかった。辞めると伝えることそのものに、それなりの消耗がある。

そこで完全に足が止まっているなら、退職代行を使うという選択肢もあります。円満退職にはなりにくく、費用も発生します。それでも、伝えられないまま何か月も消耗し続けるくらいなら、手段として検討する価値はあると考えています。追い詰められている人向けの、最後の選択肢という位置づけです。

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